株、債券、不動産、仮想通貨など金融商品は多数存在しますが、銀行の窓口で販売している外貨預金は投資価値が全くありません。
基本的に投資というよりはギャンブル要素が強いものですし、手数料が半端ではないからです。
本記事では銀行の窓口で販売している外貨預金がなぜおすすめできないのかを解説しています。
日本で外貨を持っていても無意味
日本の法定通貨は円です。
ドルでもユーロでもありません。
外貨預金は、外国に資産を持つことと勘違いしている人が多いと思いますが、実はただ円を外貨に両替しただけのものですので、外貨預金をしたところで海外にでも行かない限り使い道がありません。
そのため、わざわざ外貨に両替しなくても円のままの方が使うときに余計な手間がかからなくてすみます。
基本的にはギャンブル
外国為替取引は、通貨の交換比率の変動に賭けることなので、安定した資産運用とは言えません。
つまりギャンブル要素が強く、投資とは言い難いものです。
手数料が半端ない
外貨預金を選んでしまう人の多くは
「日本の普通預金よりも金利が良いから」
と思い込んでいる人が多いです。
でも実際には、手数料や税金などでかなり引かれるためになかなか元も取れないような設計になっています。
具体的には、手数料は外貨預金の場合、
・円を外貨にするとき
・外貨を円にするとき
でそれぞれかかります。
つまり普通預金だったら1回も手数料がかからないところを、外貨預金にしてしまったがために2回も引かれるというわけです。
例えば1ドル100円の時に100万円を外貨預金した場合1万ドルになりますが、その時点で手数料を引かれて9900ドルになります。
次にそれを円に戻すとなると、また手数料を引かれて9800ドルになります。
手数料は銀行やどの国の貨幣かによって違うので、一概にこの金額になるとは言えませんが、この時点で200ドルも損しているわけです。
さらに金利に税金がかかる
日本の普通預金よりも金利が良いからと思い込んで外貨預金を選ぶ人が多いですが、せっかく金利がついたとしても、税金がかかります。
例えば上記の例で、100万円を預けて片道の手数料を引かれて99万円になった外貨預金に２％の金利がついたとすると、19800円増えるということになります。
しかしこれにさらに税金が20％ほどかかるので、増える額は15840円になります。
1年預けても元本に満たない
1年預けて101万5840円になりますが、円に戻すときに手数料がかかるので、99万ちょっとにしかならず、1年預けても元本より下回っているという状態になります。
もちろん為替変動によっては儲かることもあるかもしれませんが、為替がなかった場合金利で多少なりとも増やせなければ、投資対象として見るのはお勧めできないと言っていいでしょう。
実はさらに金利が抜かれている
例えば米ドルをアメリカの銀行に預けていたら金利が3％つくとしたら、日本に銀行に米ドルを外貨預金で預けても金利は１％しかつきません。
この消えた２％というのは、日本の銀行が抜いているのです。
なぜそういうことをするのかというと、お金を預かった日本の銀行は自分の銀行に預けておくわけではなく、外国の銀行に預けています。
つまり仲介手数料みたいなものとして、本来なら金利が３％つくはずのものが１％しかつかなかったりしているのです。
外貨預金にはペイオフがない
日本の銀行にお金を預けている場合、万が一その銀行が破綻してしまった場合は、預金保険機構が一定額保護してくれるペイオフという制度がありますが、外貨預金はそれがありません。
つまり、客の外貨を預けている外国銀行が破綻した場合、1円も返ってこない可能性があるということです。
金利の罠
外貨預金には、
3か月もの 年利１％！
と書いてあるものがよくあります。
これは3か月で金利が１％つきますよというものではありません。
1年間預けた場合１％つく計算のものを、3か月間預けてくださいねというものなので、
仮に100万円を預けたら年利１％で1年間で1万円ですが、3か月だと4分の1になるので、2500円の金利がつくだけです。
3か月ものというのは最初の3か月だけこのようなお得な金利がつきますが、3か月経ってからは客にとっては不利な金利に変わります。
正直この書き方もどうかと思いますよね。
情報弱者が見たら確実に勘違いするような書き方です。
あえて外貨預金をやる必要はない
外国為替取引は、外貨預金以外にもFXなどがありますが、あえてそれらをやる必要はないと思っています。
アメリカ全体や、世界全体で見たら経済成長しているので、全世界株式インデックスファンドなどは長期投資の対象として最適ですが、外国為替取引は短期では変動するものの、長期で上がり続けている、もしくは下がり続けているものではないので、長期投資には不向きです。
もちろんドルやユーロの資産を持つこと自体は悪いことではありません。
だからといって外貨預金やFXで無理しなくても、例えばドル建てのETF等を買うだけで、ドルを持っていることと同じ意味を持ちます。
例えばVOOは、これを１つ買うだけでドル建てで全米の上位500社に一気に分散投資できますし、VTは世界中の優良企業に一気に分散投資することができます。
円をドルに両替するだけの外貨預金より、ドルに働いてもらう方が圧倒的なパフォーマンスを得られることは間違いありません。
まとめ
金融商品の中には投資する価値がまったくないぼったくり商品がいくつもあります。
外貨預金もそのひとつです。
基本的には投資というよりギャンブルの側面が強く、手数料や税金といった面でかなりぼったくられます。
外国資産を築きたいのであれば、外貨預金ではなくドル建てETFを購入すれば、ドルで資産を持っているのと同じことです。
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